アイシン・リャン 「三つの文化の間で」
みなさんは日本やアメリカのことを良くごぞんじだと思います。でも、中国についてはどうでしょうか。私は中国の広東(カントン)で生まれ、十六年も住んで いましたけれど、四年前にアメリカに移りました。そして、今日本語も勉強していますので、日本の文化も面白くなって来ました。私が日本語の授業を取り始め た時両親は英語がまだ下手なのに新しい外国語を習うのは適当じゃないと言いました。しかし、私は本当に日本語に興味がありましたし、日本の漫画とか歌とか 映画とかが好きでしたので、日本語を取ることにしました。母国語の中国語、そして日本語と英語を勉強している間に三つの国の人々の生活や伝統の違う点、似 ている点を見ることが出来て、とても楽しい経験をしています。
生活様式と言えばアメリカと中国ではたいへん違います。アメリカの生活様式は個人主義ですが、中国では団体主義がもっと大切です。アメリカでは自由と言う ことや個人の興味がほかのことより大切ですから、生活はもっと独立しているように見えます。それはだれでも自分の意見を言い表わすし、外からの圧力はあま り受けないのだと思います。中国では小学校の時から社会主義と言う教育を受けさせます。人口も多いので、人々はグループに従って行動しなければならないの だと思います。ですから、私も中国にいる間は学校でも家でも自分の考えをあまり言い表しませんでしたし、先生や両親によりかかるようになりました。アメリ カに移った後、私の生活様式は変わりました。アメリカの高校では中国のような「班」と言うものは全然ありませんでしたし、学級担任もいませんでした。大学 の入学試験も自分で手続きをさせられましたから、初め私にはアメリカのやり方はとてもむずかしいと思えました。でもだんだんこの生活様式が好きになって来 ました。中国では高校生は毎日勉強しかしなかったけれど、アメリカでは勉強以外にもアルバイトをしたり、クラブ活動をしたり、スポーツをしたりする学生が たくさんいました。私も初めテニスをしたり、週末にスーパマーケットでアルバイトをしたりして見ました。自分でお金を稼いで、両親におこぶかいをもらわな くても良くなった日には大人になった感じがしました。ですが、中国の高校生活を思いだしてみると、人と人との関係はアメリカよりずっと近いと思います。そ れはグループしそうにもとづくものだからだと思います。
日本と中国では似ている点違う点もあります。日本人と中国人はどちらも謙虚と言うことを重視します。日本語では、親しくない人と家族のことを話す時には、 たるべくひかえめな言い方をします。中国の両親は人前で自分の子供を「チュエンズ」とか「チュエンヌー」つまり日本語では「犬の子」と言う意みなのです が、そういう言い方をします。日本人も中国人も褒められた時にはすぐ「そんなことはありません。」とよく言いますが、アメリカ人は「どうもありがどう。」 とだけ言います。私は今でも褒められた時どう答えればいいか考えさせられることがあります。また、日本と中国の日常会話にも違いがあります。日本人はよく あいさつに天気の話をしますが、中国人はたいてい「もう食べましたか。」と言います。本当に食べたかどうかは気にしていないのですが、そう言います。ま た、日本人は一とか三とか五とかの奇数の方が二とか六とか八とかの偶数よりよくて、果物を買う時なども奇数の数を選びます。中国人は却って偶数の方が好き で、なんでも偶数の数を使います。もちろん日本人も中国人も発音が「死」と言う漢字と同じ「四」と言う数は嫌いです。
日本と中国では伝統についてもことなります。この三月私はブランダイスの「カルチャーX」 と言う行事で日本の盆おどりに参加して、初めて浴衣を着ました。浴衣はたいへん優がでしたが、帯をむすんでいる時は息が出来ないくらいでした。浴衣を着て 座っている時もとてもきつくて、くるしかったですが、きれいに座ろうとしました。むかしの日本の女性はあまり体を見せてはいけなかった、とくに着物をきた 時は小またで歩かなくてはならなかったことを実感しました。伝統的な中国ふくもきついですが、女せいの体の線はよく表われます。盆おどりの音楽も今の流行 歌とは全然違って、初め聞いた時はちょっとびっくりしましたが、動作はあまり難しくなくてにぎやかなおどりでした。中国の漢民族には日本人のようにみんな で盆おどりをすることはないと思います。私たちは時々テレビでおどりを見るだけです。
日本の文化も中国の文化もアメリカの影響を受けています。日本の流行歌のCDを 見ると、大抵タイトルが英語でかかれたものが多いです。中国の大きな町にもマクドナルドのようなファーストフードの店がたくさんあって、若い人々は大好き で、よく利用します。食生活がファーストフードに移る傾向がよくなってきました。それに、話しの中にも時々英語が出て来ます。「Hi」とか「Sorry」とか「Thank you」とか「I love you」と言うことは日常の話しの中で聞えて来ます。それに、食べ物の包み紙、Tーシャッツなどにはアメリカ人にも分からない変な英語がよくありますが、アメリカのしょうひんにも日本人や中国人にも使い方が分かりにくい「気」、「火」、「龍」、「愛」などの漢字がつかわれています。人々は外国語を使うのがかっこいいと思っているのでしょうか。
日本と中国とアメリカでは文化の点でいろいろちがいがあります。初め私は日本語を学ぶことにしか興味がありませんでしたけれど、今三つの国の生活様式や伝 統を経験して色々なことを考えました。アメリカへ来る前に学んだのはおもに中国のことでした。今このアメリカの文化の中で日本の文化も学びながら、新しい ことを経験して、もっと広い物の見かたや考え方をしたいと思います。違う文化をもっと勉強して、将来国際ビジネズの仕事をするつもりです。そして、日本、 中国、アメリカの文化のこうりゅうにやくにたちたいと思います。