Japanese Language Program

レベッカ・マホニー 「東京物語」



私は昔から物語が好きです。小さい時、私の両親は寝る前に大きい声で絵本を読んでくれました。そして大きくなって、その話を自分で読みました。幽霊話やファンタシーやミステリーや悲しい話を何冊も読みました。その作家に憧れて、私も小説が書きたかったです。

大学までに、私の世界に一番大事なのはその小説を書くことになりました。けれど、私はブランダイスに入って、日本にも興味を持つようになりました。私は日本語や日本文化や文学を勉強すればするほど、もっと好きになりました。そうかといって、日本について物語を書くつもりがありませんでした。私にとって、日本はとても面白いけれど、それは私の本当の人生のことです。私みたいな人生を書いても、あまり面白くないと思って、出来ませんでした。ですから、私の日本の興味と物語の興味はいつも別々でした。

しかし、去年の春に私は東京へ留学しました。私のホストファミリーは若い夫婦と二人の娘でした。最初、その家族は完璧でしたが、それは最初だけでした。私のホストファミリーはいつも忙しくて、私に興味がなくなりました。一ヶ月が経って、ホストファミリーは私に一言も話さない日もありました。非常に寂しかったです。
けれど、ある日、私は一人でマンションの近所を回って歩きました。マンションの後ろで、小さくて静かな道路を見つけました。その道路に真っ直ぐ行ったら、光が丘公園に着きました。童話の林のような道にさ迷って、夕焼けには、木も真っ赤に見えました。私の前にも後ろにもからすの鳴き声が聞こえました。私はまるで大好きな物語の世界に入ったようでした。その時、大事なことに気がつきました。苦しい時があっても、日本はやっぱり私が思ったとおり素晴らしい所です。

それから、私はよく「小説の主人公になったみたい」と思いました。私は不思議の国のアリスのように、あの新しい世界に入り込みました。私は毎日新しい物を発見したような気がしました。

私は日本に暮らした日々を考えながら、小説を書きました。私の人生について物語じゃないけれど、主人公は同じ新しくて不思議な世界に入り込む気持ちを感じました。「作家は知っていることだけ書かなくてはいけません。」私は先生たちにそれを何度も言われました。けれども、必ずしも作家は自分の経験だけ書くわけではありません。主人公の気持ちさえ分かれば、作家は何でも書けます。つまり、作家は皆がこの世界が分かるために、小説を書きます。ですから、私は主人公の経験を通して、自分の経験がもっと分かるために、書きました。そしてその二つの興味は一つになりました。