チャオチュン・ワン 「日本に見る美 : 日本人の精神」
夏休みに、上海の日本の会社でインターンをしました。日本の本社から訪ねて来る社員はいつも挨拶に、お菓子を持って来ました。長崎のカステラとか、京都」の水羊羹とか、箱根の温泉饅頭などでした。お菓子は挨拶としてだけではなく、文化も表す素晴らしいものだと思います。日本の文化的な要素はお菓子の包装にもうまく統合されて, 視覚的な楽しさにもなります。
私が見たお菓子の一つは書道のフォントで印刷されて、包みは金色の葉(はっぱ)を持つ和紙で、リボンは色のついた銅線でした。それを見た瞬間、私は日本がどんなに美しい国か想像できました。お菓子の箱一つでもこんなに素敵にしようとする国なら、他のものはもっと素敵だろうと思いました。
私にとって日本の魅力とは、物を作る時の細やかな心、精神性と自分の文化への誇りを感じることです。それを日本人の国民意識と呼びたいです。日本人は生活の細かいところをとても大切にします。和菓子の包装は豪華であるばかりだけでなく、箱の内側も開きやすいとかまたリサイクルできるデザインなど人々に便利なように工夫されています。西洋よりむしろ独自の文化的な要素を使うのは立派なことだと思います。「日本の美しさを出したい」というメッセージが見えます。自己の文化をどんなに誇りに思っていることだろうか?
私はこの精神を中国に伝えたい、美術とアジア研究専攻の学生として中国のお菓やその包装を変えていきたいです。五千年の文明を持つ中国にも、おいしいお菓子はたくさんあります。が、日本と違うのはお菓子の包みです。中国人はお菓子はただ美味しければいい、見た目とか包みは大したことではないと思っています。私はそうは思いません。日本のお菓子がすばらしいのは、その美味しさの上に、手の込んだ包装です。中国のお菓子は、いま、美味しさ以外にほとんど何も無いんです。
お菓子一つにも見る日本人の精神性は、私たちが学べるものです。中国のお菓子を知っている外国人はあまりいません。中国のお菓子の包みや見た目を日本のように立派にすれば、世界にその美味しさをもたらせると私は信じています。